2017-04

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

高山にすむバッタ アカイシコバネヒナバッタ

悪沢岳と丸山
南アルプス標高3000m級の山々(中央左奥のピークが悪沢岳、中央右のピークが丸山 9月)


高山蝶と呼ばれるチョウの仲間のように寒冷地に適応し、日本には氷河期に渡ってきたと考えられている昆虫たちがいる。こういった北方系の種は本州においては高山に取り残されるように生息していて(地理的)遺存種と呼ばれる。クモマベニヒカゲやタカネヒカゲのように有名なチョウのほかにも高山に生息する昆虫の仲間がいる。このうちの一つが高山性ヒナバッタとされているコバネヒナバッタ類やミヤマヒナバッタといったバッタの仲間である。

アカイシコバネヒナバッタのメス
アカイシコバネヒナバッタのメス


高山性ヒナバッタのうち、南アルプスにはアカイシコバネヒナバッタ Chorthippus fallax akaishicus というコバネヒナバッタの一種が生息している。このバッタの分類学的な立ち位置はChorthippus fallaxというバッタの赤石山脈に生息する亜種ということになっている。

アカイシコバネヒナバッタのオス
アカイシコバネヒナバッタのオス


長々とした説明が続きましたが簡単に言えば高山に適応したバッタの仲間が南アルプスにも生息しているということです(みじか・・・)。


メスの顔
メスの顔


このバッタの特徴としてはねが短く退化(進化でもある)していることがあげられる。特にメスのはねはとても小さい。

顔のアップ
メスの翅(はね)は特に短い


また、もう一つの特徴として体の色と模様に変異が見られ、緑、赤(赤褐色)、黄(黄褐色)、黄色がかった白など、様々な色の個体が見られることがあげられる。


黄色オス緑色のオス黄褐色のメス赤褐色のメス
上段左 黄色いオス 上段右 緑色のオス
下段左 黄色いメス 下段右 赤いメス


オスとメスの形の違いや、体の色の変異を知らないと別種かと思ってしまうかもしれない。

緑オスと赤メスの交尾
緑色のオスと赤褐色のメスの交尾


アカイシコバネヒナバッタは稜線沿いに広く見られるが、植物のはえている場所には多くの個体が見られる。

花畑と草地
お花畑と草地(丸山山頂 標高3032m 7月)


8月中旬のお盆のころは幼虫が多い。

赤い幼虫緑色の幼虫
赤い色の幼虫                      緑色の幼虫
 
成虫はお盆を過ぎたころから見られるが、数が出そろうのは9月に入ってから。
観察しているとオスは周囲の動くものに見境なく反応して抱きつくことがあり、オスがオスに抱きつきにいくこともあった。平地に比べて気温と天候によって活動できる時間は制限されるので、オスにしてみれば活発に動ける間はすべて繁殖行動にかけていたいのだろうか。


白メスと黄色オスの交尾
交尾個体

成虫は10月末の雪が降り始める時期まで活動を続け、積雪とともに一生を終えるという。


交尾
丸山山頂で撮影







参考文献
日本直翅類学会編(2006)バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑.728pp.北海道大学出版会.
石川均(2004)アカイシコバネヒナバッタ.まもりたい静岡県の野生生物-県版レッドデータブック-(動物編),p.258.


撮影メモ

今回は以前とりあげたテカリダケフキバッタに続き、高山に生息するバッタの紹介でした。
アカイシコバネヒナバッタの面白いところは翅が退化していることだと思う。厳しい環境でなおかつ餌資源が限られているので、翅を作ることに栄養を費やさなくなったのだろうか?
個人的にはアカイシコバネヒナバッタはメスの方かかっこいいと思う。その中でも緑色のメスが一番かっこいいと思う。オスは結構小さくよく動きまわるので写真に撮るのが結構大変で、あまり満足いく写真がない。また機会を作って撮影に行きたい。




撮影機材
Nikon D300、D3100
AT-X 107 DX Fisheye 10-17mm F3.5-4.5
AT-X M35 PRO DX 35mm F2.8
AF-S VR Micro-Nikkor ED 105mm F2.8G
SIGMA 18-200mm F3.5-6.3 OS
スポンサーサイト

テーマ:昆虫の写真 - ジャンル:写真

光岳(てかりだけ)とテカリダケフキバッタ

テカリダケフキバッタ

高山性のミヤマフキバッタの一種。南アルプス光岳(静岡県、長野県)周辺に分布する。

テカリダケフキバッタのオス
テカリダケフキバッタのオス(静岡市葵区田代)2009年9月20日

テカリダケフキバッタのメス
テカリダケフキバッタのメス(静岡市葵区田代)2009年9月20日

光岳と光石
光岳(静岡市葵区田代)2009年9月20日

名前の由来となった光岳。標高2591m。


テカリダケフキバッタ1
(静岡市葵区田代)2009年9月19日

初めてこのフキバッタを見た感想は「黒いフキバッタ!」であった。標高が高く、天候が安定しない場所に生息しているため、体の色を黒くして熱を吸収しやすくしているということだろうか。幼虫は全身が真っ黒という。いつか見てみたい。
天気が良い時に生息地を歩くと草むらからピョンピョンとびはねる個体をよくみつける。しかし空が曇り気温が下がるとこのバッタたちはすぐに物陰に入って動かなくなる。こうなると見つけることはむずかしい。

オスのアップ
顔のアップ(静岡市葵区田代)2009年9月20日

フキバッタの仲間はハネナガフキバッタなどの例外をのぞけば羽を使って飛ぶことはない。テカリダケフキバッタの羽はフキバッタの仲間の中でもさらに小さいと思う。

メスの顔
メスの顔(静岡市葵区田代)2009年9月20日
わずかな時間しか観察することはできなかったが、メスはオスに比べてものかげに隠れていることが多かった。

険しい斜面
生息地を望む(静岡市葵区田代)2009年9月20日

コケモモ
生息地に見られるコケモモ(静岡市葵区田代)2009年9月20日

広角で撮影
広角で撮影(静岡市葵区田代)2009年9月20日

光岳へは約7時間の登山で中々大変だった。
今回はとても強力な同行者の方にテカリダケフキバッタを含め案内をしていただき、どうにか撮影することができました。ありがとうございます。

テーマ:昆虫の写真 - ジャンル:写真

«  | ホーム |  »

プロフィール

駿河区のサカイ

Author:駿河区のサカイ
静岡市在住

最近忙しく、
「撮れるうちに撮っておけ」
という言葉が身にしみる日々です。


写真の使用などに関するお問い合わせは以下のアドレスまでお願いします。

suruganosakai@gmail.com

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (2)
河原の昆虫記 安倍川 (4)
安倍川 (9)
河原 (2)
伊豆 (3)
南アルプス (2)
砂礫地 (1)
湿地 (2)
蜻蛉目(トンボ目) (4)
直翅目(バッタ目) (7)
半翅目(カメムシ目) (3)
鞘翅目(コウチュウ目) (4)
鱗翅目(チョウ目) (9)
カエル (3)
駿河区 (2)
長野県 (2)
日常 (6)
むしたび (7)
膜翅目(ハチ目) (3)
けもの (1)
蟷螂目(カマキリ目) (0)

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。